高麗人参と癌

滋養強壮効果の高い高麗人参は癌の治療にも有効に働きます。
高麗人参に含まれるサポニンの一種であるジンセノイドには、癌の原因となる活性酸素や遺伝子の変異を抑える効果があるといわれ、手術や抗がん剤など癌の治療に伴う食欲不振、免疫力低下、疲労回復などの症状の改善にも役立つといわれています。
そして近年の動物実験によって、高麗人参に含まれるジンセノイドの代謝産物であるＭ１に、癌細胞の転移する数を減少させる効果があることが確認され、、癌の予防、癌細胞の増殖や転移の抑制、癌の再発予防などにも高麗人参が有効に働くのではと期待されています。

ただ、ジンセノイドの新陳代謝と免疫力を高める効果は熱や炎症があると病気を悪化させる場合があり、使用には注意が必要です。
また、癌細胞が増殖している状態でジンセノイドを摂取すると、癌細胞を活発化させ、癌が悪化するともいわれています。
それを防ぐため、高麗人参を癌の治療に用いる場合は、炎症を抑える効果がある生薬などを併用したりして、癌細胞が活性化しないように配慮した治療が行われます。

また、癌の予防効果を期待して高麗人参を摂取する場合にも注意が必要です。
特に高血圧、肥満の場合は高麗人参を大量摂取することで、血圧が上昇したり、湿疹、むくみなどの症状が現れることがあります。
ワルファリンを服用している場合は、高麗人参がワルファリンの効果を阻害してしまうので摂取しないようにしましょう。
いずれの場合でも、かかりつけ医に相談の上、摂取するようにしてください。